歴史と伝統のある日本の芸能文化

現代の娯楽であるテレビやインターネットに疲れてしまっているという方には、もっと伝統的なエンターテインメントをおすすめします。昔ながらのエンターテイメントにはいろいろな形態があります。日本だけでなく世界の注目を浴びているいくつかの伝統芸能についてご紹介しましょう。

歌舞伎

日本人なら誰もが「歌舞伎」のことを知っていますよね。この舞台芸能は1600年代に生まれ、誕生当時は、女性だけによる歌と踊りを合わせたものでした。その多くの役者が売春にも携わっていたため、政府は女性の役者をすべて男性に置き換えさせました。のちに歌舞伎はエロチックな一面を廃して、もっと別の真面目なテーマを扱うようになりました。現在でも、新たな形態で上演され続けています。

伝統舞台芸能である「能」は1300年代に生まれましたが、今日でも上演されています。能の主役は、何重にも重ねた豪華な衣装と能面を身にまとって舞台に立ちます。能の舞台は、いかに現代風な演出を試みようとしても、やはり非常に精緻で伝統にのっとった動きにこだわり、そのスタイルはほとんど昔と変わっていません。役者は全て男性で、女性役も男性によって演じられます。

狂言

「狂言」は能から派生した伝統舞台芸能です。能はドラマチックな内容が題材となりますが、狂言は緊迫感を和ませ、観衆を笑わせることを目的としています。この種の喜劇は、当時、能の幕間に上演されていたものですが、時代を経てそれ自体が一つの芸能として位置づけられていきました。

文楽

「文楽」は操り人形芝居です。欧米のものと違って、文楽の操り人形はほぼ等身大で糸はついていません。全身黒を身にまとった人形遣いが人形の体の各部を動かしながら、見事な演技を披露します。ぜひ一度は文楽を観に行って、その表現豊かな驚くべき舞台を味わってみてください。

漫才

「漫才」は昔ながらの日本版スタンドアップコメディです。非常に歴史の古い芸能で、起源は1000年代に遡りますが、第二次世界大戦後に最盛期を迎えました。漫才はいわゆる欧米の”ボケとツッコミ”のようなもので、一人のコメディアンは情にもろくておとぼけ役、そしてもう一人がその相方を馬鹿にする、というスタイルです。漫才はプロップは使わずにステージ上で演じられます。誰もが知る有名な漫才コンビは、みんな大好きダウンタウンさんですよね。1980年代から90年代にかけて一世を風靡しました。

落語

「落語」もまた、日本式スタンドアップコメディといえますが、こちらは一人だけの芸人がプロップ無しで扇子とハンカチだけを手にステージ上に座ります。そのコメディアンは小話を語り(話を全て自分一人で演じながら語ります)、最後にオチで終わるというパターンです。落語の芸はたいてい20分から1時間です。

よさこい

「よさこい」とは「夜に来てください」という意味で、エネルギッシュでエキサイティングな歌と踊りがたくさん含まれています。この芸能は四国で生まれましたが、やがて日本全国へ広まりました。今日、よさこいは夏のお決まりのダンスの一つです。全国の各都市の中には、よさこいチームをもつ学校もあり、夏祭りで歌や踊りを披露します。